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⑴ 配当所得の非課税措置の内容

 居住者又は国内に恒久的施設を有する非居住 者(以下「居住者等」といいます。)が、金融 商品取引業者等の営業所に開設した非課税口座 に非課税管理勘定を設けた日から同日の属する 年の 1 月 1 日以後 5 年を経過する日までの間に 支払を受けるべきその非課税管理勘定に係る次 に掲げる非課税口座内上場株式等の配当等(そ の金融商品取引業者等が国内における支払の取

扱者で一定のものである配当等に限ります。)

については、所得税を課さないこととされてい ます(措法 9 の 8 )。

① 金融商品取引所に上場されている株式等そ の他これに類する一定の株式等で、内国法人 から支払がされるその配当等の支払に係る基 準日においてその内国法人の発行済株式又は 出資の総数又は総額の100分の 3 以上に相当 する数又は金額の株式(投資口を含みます。)

又は出資を有する者(大口株主等)がその内 国法人から支払を受けるもの以外のもの

② 公社債投資信託以外の証券投資信託でその 設定に係る受益権の募集が一定の公募により 行われたもの(特定株式投資信託を除きま す。)の収益の分配

③ 特定投資法人の投資口の配当等

(注 1 ) 上記の「非課税管理勘定」とは、居住者 等が金融商品取引業者等と締結した上場株 式等の振替口座簿(社債、株式等の振替に 関する法律に規定する振替口座簿をいいま す。)への記載若しくは記録又は保管の委託

(以下「振替記載等」といいます。)に係る 契約に基づき口座に記載若しくは記録又は 保管の委託がされる上場株式等につき、そ の記載若しくは記録又は保管の委託に関す る記録を他の取引に関する記録と区分して 行うための勘定で、平成26年から平成35年 までの各年に設けられるものをいいます。

(注 2 ) 上記の「非課税口座内上場株式等」とは、

非課税上場株式等管理契約(下記⑶②参照)

に基づき非課税口座に係る振替口座簿に記 載若しくは記録がされ、又はその非課税口 座に保管の委託がされている上場株式等を いいます。

⑵ 譲渡所得等の非課税措置の内容

 居住者等が、非課税口座に非課税管理勘定を 設けた日から同日の属する年の 1 月 1 日以後 5 年を経過する日までの間に、その非課税口座に 係る非課税口座内上場株式等の非課税上場株式 等管理契約に基づく譲渡をした場合には、その 譲渡による事業所得、譲渡所得及び雑所得につ いては、所得税を課さないこととされています

(措法37の14①)。

 一方、非課税上場株式等管理契約に基づく非 課税口座内上場株式等の譲渡による収入金額が その非課税口座内上場株式等の取得費及びその 譲渡に要した費用の額の合計額又はその譲渡に 係る必要経費に満たない場合におけるその不足 額(損失額)は、所得税に関する法令の規定の 適用については、ないものとみなすこととされ

ています(措法37の14②)。

⑶ 非課税口座の要件等

① 非課税口座の意義

 「非課税口座」とは、居住者等が、上記⑴ 及び⑵の特例の適用を受けるため、一定の手 続に従い、その口座を設定しようとする年の 属する勘定設定期間の非課税適用確認書、非 課税管理勘定廃止通知書又は非課税口座廃止 通知書を添付した非課税口座開設届出書を金 融商品取引業者等の営業所の長に提出をして、

その金融商品取引業者等との間で締結した非 課税上場株式等管理契約に基づき平成26年 1 月 1 日から平成35年12月31日までの間に設定 された上場株式等の振替記載等に係る口座

(その口座において非課税上場株式等管理契 約に基づく取引以外の取引に関する事項を扱 わないものに限ります。)をいうこととされ ています(措法37の14⑤一)。

(注 1 ) 上記の「非課税適用確認書」とは、居 住者等の申請に基づき税務署長から交付 を受けた書類で、その者の氏名、生年月 日、勘定設定期間として次の表に掲げる 期間のいずれかの期間、その勘定設定期 間の次に掲げる区分に応じそれぞれ次に 定める基準日における国内の住所その他 一定の事項の記載のあるものをいいます

(措法37の14⑤三、措令25の13⑫、旧措規 18の15の 3 ④)。

勘定設定期間 基準日

イ 平成26年 1 月 1 日から 平成29年12月31日まで の期間

平成25年 1 月 1 日

ロ 平成30年 1 月 1 日から 平成33年12月31日まで の期間

平成29年 1 月 1 日

ハ 平成34年 1 月 1 日から 平成35年12月31日まで の期間

平成33年 1 月 1 日

(注 2 ) 上記の「非課税管理勘定廃止通知書」

とは、金融商品取引業者等の営業所に非

課税口座を開設している居住者等が、そ の非課税口座に設けられるべき非課税管 理勘定を他の非課税口座に設けようとす る場合に、その旨その他一定の事項を記 載した金融商品取引業者等変更届出書を その金融商品取引業者等に提出し、その 金融商品取引業者等の営業所の長から交 付を受ける書類で、その者の氏名、生年 月日、非課税管理勘定を廃止した年月日 その他一定の事項の記載のあるものをい います(措法37の14⑤四、旧措規18の15 の 3 ⑤)。

(注 3 ) 上記の「非課税口座廃止通知書」とは、

非課税口座を開設している居住者等がそ の非課税口座について本特例の適用を受 けることをやめようとする場合に、その 旨その他一定の事項を記載した非課税口 座廃止届出書をその金融商品取引業者等 に提出し、その金融商品取引業者等の営 業所の長から交付を受ける書類で、その 者の氏名、生年月日、非課税口座を廃止 した年月日、その廃止した日の属する年 分の非課税管理勘定への上場株式等の受 入れの有無その他一定の事項の記載のあ るものをいいます(措法37の14⑤五、旧 措規18の15の 3 ⑥)。

② 非課税上場株式等管理契約の意義

 この非課税の特例の適用を受けるために居 住者等が金融商品取引業者等と締結した上場 株式等の振替記載等に係る契約で、その契約 書において次に掲げる事項が定められている ものをいうこととされていました(旧措法37 の14⑤二、旧措令25の13⑥~⑪、措規18の15 の 3 ③)。

イ 上場株式等の振替記載等は、その振替記 載等に係る口座に設けられた非課税管理勘 定において行うこと。

ロ 非課税管理勘定は、その居住者等から提 出を受けた非課税適用確認書、非課税管理 勘定廃止通知書又は非課税口座廃止通知書

に記載された勘定設定期間においてのみ設 けられること。

ハ 非課税管理勘定は、一定の場合を除きそ の勘定設定期間内の各年の 1 月 1 日におい て設けられること。

ニ 非課税管理勘定においてはその居住者等 の次に掲げる上場株式等(ストックオプシ ョン税制の適用を受けて取得をした上場株 式等を除きます。)のみを受け入れること。

イ 次に掲げる上場株式等で、その口座に 非課税管理勘定が設けられた日から同日 の属する年の12月31日までの期間内に受 け入れた上場株式等の取得対価の額(購 入代価、払込金額又は移管に係る払出し 時の金額(価額)をいいます。)の合計 額が100万円を超えないもの

ⅰ その期間内にその金融商品取引業者 等への買付けの委託(買付けの委託の 媒介、取次ぎ又は代理を含みます。以 下同じです。)により取得をした上場 株式等、その金融商品取引業者等から 取得をした上場株式等又はその金融商 品取引業者等が行う上場株式等の募集

(公募に限ります。)により取得をした 上場株式等で、その取得後直ちにその 口座に受け入れられるもの

ⅱ その非課税管理勘定を設けた口座に 係る他の年分の非課税管理勘定から、

一定の手続の下で移管がされる上場株 式等

ロ 上記イのほか、一定の上場株式等 ホ その非課税管理勘定において振替記載等

がされている上場株式等の譲渡は、金融商 品取引業者等への売委託による方法等によ ること。

へ その他一定の事項

⑷ 非課税口座に関するその他の手続等

① 非課税口座異動届出書の提出

 非課税口座を開設している居住者等が、そ

の氏名、住所又は個人番号の変更をした場合 は、その者は遅滞なく、その旨その他一定の 事項を記載した届出書(以下「非課税口座異 動届出書」といいます。)を、その非課税口 座が開設されている金融商品取引業者等の営 業所の長に提出(その非課税口座異動届出書 の提出に代えて行う電磁的方法による非課税 口座異動届出書に記載すべき事項の提供を含 みます。)をしなければならないこととされ ています(措令25の13の 2 ①)。

(注) 上記の「電磁的方法」とは、インターネ ットや電子メール等の電子情報処理組織を 使用する方法その他の情報通信の技術を利 用する方法をいいます。

② 非課税口座移管依頼書の提出

 非課税口座を開設している居住者等が、そ の非課税口座が開設されている金融商品取引 業者の営業所(以下「移管前の営業所」とい います。)の他の営業所(以下「移管先の営 業所」といいます。)にその非課税口座を移 管しようとする場合には、その居住者等は、

その移管を依頼する際、その旨、その者の氏 名、生年月日、住所及び個人番号その他一定 の事項を記載した届出書(以下「非課税口座 移管依頼書」といいます。)を、移管前の営 業所を経由して移管先の営業所に提出しなけ ればならないこととされています(旧措令25 の13の 2 ②)。

 非課税口座移管依頼書が移管先の営業所に 受理された場合には、移管前の営業所の長が した非課税口座開設届出書の受理その他の手 続は、その移管先の営業所の長がしたものと みなして、引き続きこの非課税の特例が適用 されます(措令25の13の 2 ③)。

③ 金融商品取引業者等の事業譲渡等があった 場合の取扱い

 事業の譲渡、法人の合併・分割又は金融商 品取引業者等の営業所の新設・廃止若しくは 業務を行う区域の変更により、居住者等が金 融商品取引業者の営業所(以下「移管前の営

業所」といいます。)に開設している非課税 口座に関する事務の全部が、他の金融商品取 引業者等の営業所又は同一の金融商品取引業 者等の他の営業所(以下「移管先の営業所」

といいます。)に移管された場合には、その 移管前の営業所の長がした非課税口座開設届 出書の受理その他の手続は、その移管先の営 業所の長がしたものとみなして、引き続きこ の非課税の特例が適用されます(措令25の13 の 3 ①)。

④ 金融商品取引業者等の営業所の長から所轄 税務署長への提供事項の提供

 次に掲げる金融商品取引業者等の営業所の 長は、それぞれ次に定める事項(以下「提供 事項」といいます。)を、①電子情報処理組 織(e-Tax)を使用して提供事項を送信する 方法又は②提供事項を記録した光ディスク、

磁気テープ又は磁気ディスク(以下「光ディ スク等」といいます。)を提出する方法によ り、その金融商品取引業者等の営業所の所在 地の所轄税務署長に提供(送付)しなければ ならないこととされています(旧措法37の14

⑨⑬⑯⑲、旧措令25の13の 2 ④、25の13 の 3 ②)。

イ 非課税適用確認書の交付を受けようとす る居住者等から非課税適用確認書の交付申 請書の提出を受けた金融商品取引業者等の 営業所の長……その申請書に記載された事 項(以下「申請事項」といいます。)

ロ 非課税適用確認書(非課税口座開設届出 書に添付して提出されるものを含みます。

以下同じです。)の提出を受けた金融商品 取引業者等の営業所の長……その非課税適 用確認書の提出をした居住者等の氏名、生 年月日、基準日における国内の住所その他 一定の事項

ハ 金融商品取引業者等変更届出書の提出を 受けた金融商品取引業者等の営業所の長

……その金融商品取引業者等変更届出書を 提出した者の氏名、金融商品取引業者等変

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